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様々な要素を振動として捉え、それによって世界は揺さぶられ、動いているのではないか。という視点から制作を開始。
リアス式海岸のような紋様の砂床と、振動する鉄板のインスタレーションを軸に、水、グラス、靴などを使った繊細な行為が重ねられていく。レイヤーのように重なりながらも、決して交わることはない時間が、映画のワンカットのように淡々と流れてゆく。
隙間を埋めるように、孤独ながらも共振しようともがく身体達。それによって発する音と光が、さらに振動を作り出す。緊張感がピークに達した時、空間が決壊するように頭上から砂が降り注ぐ。
「世界」という言葉がもつ場所に、どうすれば触れられるのか。固定的な視点からも、多重的な世界観を示そうとした演劇的要素の強い、ミニマルな実験的作品。
「 自分の目の前に在る世界。でも、自分とは関係なくも存在している世界。
時間はすすんでいる。
世界は絶えず変化しつづけている。
混沌としてぐちゃぐちゃで、世界は複雑すぎて僕は混乱している。
どう向かいあったらいいのかわからないでいる。
世界が自分の頭の中で、また目の前でもバラバラになって断片化していている。 」
これまで制作してきた作品のコンセプトから発展させ、「世界という概念に対して、人はどういう存在でありうるのか。」この大きな命題に対し向かい合う必要を感じた。
作品を創るという行為は多様な世界の中でどのような誠実な態度でありえるのだろうか。