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老いた母親との関係から感じたことを発展させ、「個」と他者との「関係性」をテーマにした作品。
直径10mほどに膨らんでいく幕から作品は始まり、大量の航空写真を焼きつけたスクリーン、左右に移動しながら映写されるプロジェクター、超クローズアップのリアルタイム映像などを使いながら、様々なパースペクティブで「人」ということを見つめていく。
男/女を軸にしながら、「顔」「孤独/接触」「生/死」などをモチーフに展開されていく中、身体は徐々に本能的に剥き出しになっていく。
舞台上のパフォーマーの存在をドキュメンタリー的に見るような、新たな視点を探った。
44 歳、年が離れた母親がいる。病気を患った後、老けたその顔と身体を見ると「老いる」「死んでゆく」という現実を意識した。それと同時に、この人が居るからこそ自分が居る、そんな当たり前のことを感じる。自分から彼女へ、そしてその前へとずっと繋がっている遠い歴史の波に揺れているような感覚。同時にここから先へと延びていく波の感覚も広がる。
そんな母親との関係は、僕を鋭敏にさせ、人を見る/人と接するということが新たに更新され、とてつもない情報量を持ったものに思えた。
そして、その歴史の波は自分だけでなく、他者にも存在するのだと想像させる。それは美しくも気持ち悪くも思えて、想像が及ばない程の圧倒的な数の波によって世界は揺れ動いているのではないか。
人を生きたモニュメントとして捉えてみる。
私は私を思い出す。